東大→外資戦コン出身のエリートは、なぜベンチャーに飛び込み、LIMEXを広げるのか?

2020 5/03

こんにちは。株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部 増田です。当企画では、TBMで働く人たちを知って頂くために、社員紹介を行います!
今回は、2018年に入社したマネージャーを務める、杉山さんに話をお伺いしました。(2022年2月以降、プラント事業部 部長)

※所属や業務内容は、インタビュー当時のものです。

PROFILE
杉山琢哉/経営企画本部 マネージャー
東京大学を卒業後、Accenture Strategyに入社。 消費財業界担当シニアマネージャーとして活動。13 年間のキャリアの大半を、消費財業界のトップライン向上支援にフォーカスし、自ら案件を開拓、デリバリー。消費財業界では、食品、飲料、化粧品、アパレルと多岐に渡る業界にて、 全社成長戦略、新規事業、新商品開発、セールス&マーケティング戦略、デジタル戦略を担当。消費財のトップライン向上のための戦略案件においては、前企業において最も多くの経験と実績、推進能力を有していると自負している。TBMでは、新規事業/商品/サービス開発を担当、サーキュラーエコノミー推進統括。
共著:『外資系コンサルのリサーチ技法』

目次

#1. “仲間感”や”一体感”を追求した、学生時代

原体験は大学時代のダンスサークル

増田:杉山さん、本日はどうぞ宜しくお願い致します!杉山さんのご経歴を拝見すると、いわゆるエリート路線ど真ん中という印象ですが、杉山さんはどんな大学生だったのですか?

杉山:大学時代はストリートダンスサークルに熱中していました。自分達が創業メンバーとしてサークルを作り、チャラチャラというよりもひたすら練習をするサークルでした。最初は先生もいない中、ビデオを見ながらダンスを学んでいきました。一日中逆立ちしていることもありましたね。

増田:そうなんですね!ダンスサークルのイメージはありませんでした。もう少し具体的にお聞かせください。

仲間と共に挑戦し、「泣けること」の尊さ

杉山:当時のダンスサークルのカルチャーは、自分の人生の中で非常にしっくりきていて、今も変わらず求め続けているものです。本当の意味で、”仲間感”や”一体感”を感じることが出来ました。サークル活動のメインイベントは年に一度の公演です。約1,000万円のお金を自分達で集め、約5,000人を集客し、プロの舞台監督まで招聘するなど大々的に行いました。幹部は、約半年間泊まり込みで議論を重ね、1つの作品を協力して創り上げました。私は演出責任者として勤めました。仕事内容は、演技全体のストーリーを構想し、一連の流れに仕立てることでした。今振り返ると、人生で『最も前向きに、仲間と一緒になって挑戦した経験』がその時だと思います。当時、ある後輩がいて、ダンスは上手いけど、斜に構えている子でした。しかし、年に1度の公演が無事成功し、苦労が労われた時に、共に泣くことができました。自分が涙もろいのもありますが、前向きにみんなで努力して、泣けるような経験ができた事は非常に大切な思い出です。

#2. 戦略コンサルティングファームでの仕事

増田:有難うございます。大学のサークル活動を通じて泣けるような経験ができたのは非常に羨ましいですね。その後、新卒で戦略コンサルティングファームであるアクセンチュアへ入社されたとのことですが、最も印象に残っているエピソードをお聞かせください。

杉山:私はアクセンチュアで約13年キャリアを積みました。一貫して意識していたことは、「コンテンツでワオ!を提供すること」です。印象深いのは、あるスポーツ製品メーカーの中長期の製品戦略を考えるプロジェクトです。当時の状況は逼迫していました。その会社は上場して数十年以来初の赤字を記録し、抜本的な改革が必要なタイミングでした。

初めは業務改革が主目的のプロジェクトでしたが、その後数ヶ月、プロジェクトに携わる中で、抜本的な改革が必要であると肌で感じ、その会社に訴え続けました。結果的に新たなプロジェクトを立ち上げる事ができ、抜本改革を行うプロジェクトに約半年間携わることができました。

スポーツ業界のポートフォリオは消費財業界の中でも最も複雑です。様々な競技種目があり、競技種目毎に全く異なる製品があります。加えて、地域性なども考慮すると、無数の選択肢が存在します。従来のアプローチ方法では解決ができないと考え、客観的かつ本質的な自社の強みを見つけていくアプローチに切り替えました。まず、マトリクスの中で自社の特許を洗い出しました。すると、プロダクト次第では世界最大手メーカーの商材よりも優位性がある事を発見することができたんです。彼らの元々持っていた技術力とコーポレート・アイデンティティからストーリーを整理し、最終的に「これは元々ないだろう」と言われていた、”とある海外向け製品”にベットする意思決定を行いました。その結果、チーム編成を行い、アクションプランの提案から実施まで完遂する事ができました。このプロジェクトは非常に印象に残っています。

増田:大手消費財メーカーの支援を行う場合はおっしゃられた通り、無数の製品ラインナップがあります。一方、今のTBMはLIMEXのワンプロダクト、難しさはありますか?

TBMはワンプロダクトにかける本気度が違う

杉山:難しさというより、考え方が根本的に異なる気がしています。大企業の戦略は、一定数の製品が存在する上で、どれを選択し、集中投下するかが重要です。一方で、TBMは新規事業を立ち上げ、且つそれが唯一の本業のため、不確実性があっても必ず成功が必須条件なんです。そのためワンプロダクトにかける本気度は全く違うと思います。道楽ではやっていけませんから。もし、この船(=事業・会社)が沈んだら自分も沈んでしまう、という覚悟をみんなが共有しながら仕事ができる事は良い環境だと思っています。大企業では上記の感覚は中々感じることができませんでしたね。自分の代わりがたくさんありましたので(笑)

増田:有難うございます。一つのプロダクトにかける熱量の違いですか。確かにそれはベンチャー企業の強みにもなり得るものですよね。ところで何故、アクセンチュアを辞めてTBMへジョインしたのでしょうか。

#3. ”片道の船に乗る”覚悟を持って、ジョインしたTBM

なぜ13年勤めた戦略コンサルを辞めてまでTBMへ?

杉山:アクセンチュアは非常にエキサイティングな環境であったことは間違いありません。

役職も順調に昇格し、最終的にシニアマネージャーを任せて頂きました。ただ、ある程度先が見えてしまったんです。大手企業にはよくある話ですが、それがやや退屈に感じました。
もう一つは、大学のダンスサークルの様に泣ける程の一体感を感じ、一生の仲間を得る経験ができる場所に今、自分が立っているかというと、根本的に異なる場所だと感じました。これは良し悪しではなく、根本の問題です。戦略コンサルティングファームでは、一人一人がプロフェッショナルとして、いかに個々の価値を提供し続けるかが最も重要です。その為、自分が求めているものを得るには、”What”と”Who”を変える必要性があると感じました。

また、この意思決定には家庭や自分の年齢を考慮する必要があり、タイムリミットが伴うものだと考えています。そして、それが近づいていることを感じていました。その為、社外含め様々な人にお会いしました。そして、人材紹介会社を通じてTBMのお話をお聞きし、直感的に感じたんです、「この会社だ!」と。

増田:なるほど、直感に従いTBMに入社頂いた訳ですが、仕事はいかがですか?

1週間で10年分のダイナミズム

杉山:仕事の密度が非常に濃いですね。面白いなと思う点はビジネスのダイナミックさです。TBMにいると、本来10年スパンで考えるべき話が、1週間で状況が大幅に変化しているなんてことが日常茶飯事に起こります。そのようなダイナミズムを入社後早々に経験できているので、TBMに来たことは間違ってなかったと日々実感しています。

スタートアップの環境下では、自分がやったらいいなと思っていることに対して、10倍のアウトプットを社長から求められます。普通に考えたら全く無理なんですけど、それをどうにかしてやり遂げていかないといけません。売上を10倍にしないといけない時、社内の開発リソースでは足りない。その状況で目標を如何に達成するか?どのように外部のパートナーを巻き込んでいくか?という厳しい制約条件を、軽々と乗り越えていく必要があります。昨今のプラスチック規制に対するロビー活動も然り、製品の品質向上の為にネットワークやコミュニティを形成し、なんとかクリアする為に動き出そうとしています。

増田:”1年で10年分の成長”はTBMのキーワードの1つですが、”1週間で10年分のダイナミズム”は新しいキーワードになりそうです。個人的には、以前杉山さんにお話を聞いた際に「全員営業、全員マーケター、全員開発者」と仰られていたのが印象的です。この意味をお伺いできますか?

#4. 全員営業、全員マーケター、全員開発者に込めた想い

杉山:TBMのLIMEX事業はポテンシャルが非常に高いです。しかし、まだまだ事業として、産みの苦しみのフェーズであると思います。実際にLIMEXの用途展開には課題が山積みです。スピード感が求められる為、営業担当にも開発視点が求められると思います。営業担当者であろうと、クライアントから求められる”物性”を持った製品を作る為にはどんな障壁を超える必要があるか?その難易度は?などをイメージできていないと、LIMEX事業の成長についていけないと思います。また、開発担当としても、LIMEXを提案する際に、お客様のニーズ視点で語れるか、マーケティングの視点が必要だと思います。開発担当だって、いちいち全ての判断を営業に仰いでしまうと生産性が上がりません。営業イメージを自らが持ち、自ら判断できる必要があると考えています。TBMが限られたリソースで効率的にパフォームするためにはこのハイレベルの要求をクリアしていく必要があります。これは素材を扱うベンチャーだからこその面白さかもしれません。だからこそ非常にエキサイティングです。

増田:有難うございます。杉山さんは経営企画本部として新規事業/商品/サービス開発を担当されていますが、具体的な現在の仕事のお話もお伺いできますか? 

杉山:はい。TBMの経営企画本部の役割は、いわゆる管理的な業務よりも、事業開発の側面が強いです。
新しい事業/商品/サービスをゼロから孵化させて、よちよち歩きができるようになった段階で営業本部などの他部署に引き継ぎ、また新規の領域に着手するというサイクルを入社以来繰り返しています。スピードは非常に早く、大体半年程度で次のミッションに移っています。
事業立ち上げを全面的に主導するため、机上でのプランニングや仕組み作りのためのパートナー探索/提携活動はもちろん、自身で営業活動も行って受注を獲ってくるなど、事業立上げに必要な機能をオールラウンドでカバーしていく必要があります。
2019年までは主に新製品/用途の立上げを担当しておりましたが、現在は、TBM全社目標の中核の一つである「サーキュラー・エコノミーの社会実装」を主導させて頂いています。
LIMEXは使って頂くだけでも環境価値は高いですが、更に回収・再生させてマテリアルリサイクルをしていくことで、我々が目指すエコノミーとエコロジーの両立が真に実現できると考えています。
LIMEXのマテリアルリサイクルが経済的に成り立ち、社会として自律的に促進される事業のモデルづくりを、ゼロから作り上げることを推進しています。
新素材ゆえにリサイクルインフラは未確立です。従い、どうやって回収するか、その後どのような技術で分別し再資源化していくか、どのような製品に再生していくか、一つ一つの要素が大きなチャレンジであり、とてもエキサイティングです。

杉山さんは将来的に、このTBMで何を成し遂げたいですか。

杉山:仕事を通じて泣けるくらいの感動体験をしたいですね。そのためには、社員皆が同じ船に乗っている気持ちを持つ必要があると思います。良い意味でこの土壌(=TBM)は他には中々ない場所だと思います。あとは自分がここでどれだけやれるか次第ですね。

増田:有難うございます。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

杉山:TBMは企業理念を大切にしています。私が在籍していたコンサルタント業界だとこのカルチャーには合う合わないがあるでしょう。でも一つ言うと、この会社には、嫌な人がいないんですよ(笑)みんな前向きに仕事をして、表面上ではなく、助け合って、日々事業を推進しています。一体感を持って、何かを成し遂げようとしている環境と共に、人生の価値観を変えるような体験をしたいのであれば、私はこの環境をお勧めします。

増田:杉山さん、本日はどうも有り難うございました。

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