
こんにちは。株式会社TBM コーポレート・コミュニケーション本部の増田です。当企画では、TBMで働く人たちを知っていただくために、TBMのメンバーに社員インタビューを行います!今回は、2018年10月に博報堂からTBMへジョインし、営業本部のNew Business Designerとして活躍している岡澤さんの記事です。(2019年2月インタビュー実施)
※所属や業務内容は、インタビュー当時のものです。
PROFILE
岡澤友広|営業本部
早稲田大学卒業後、株式会社博報堂に入社。マーケティング(ストラテジックプランニング)部署に1年間在籍。2年目に営業局に帰任した後、大手金融企業グループを担当。3年目、大手製薬会社のブランド担当として、男性向け化粧品のネーミング・パッケージ開発、コミュニケーション全般を戦略からアウトプットまで広範囲に担当。その後、社内制度で異動し、大手通信キャリア、大手インターネット企業、外資系大手携帯端末メーカー、外資系大手エンターテインメント企業、他新規クライアントをディレクターとして担当。デジタルマーケティング(オウンドメディアの企画・運営、デジタルコンテンツの開発、EC事業における大規模なデジタルADプランニングから運用及びPDCA等)を中心としながらも、この数年ではDMP(データマネジメントプラットフォーム)などを活用した生活者データの一元管理をベースに統合マーケティングのプランニング、実行に携わる。
#1. 生粋の広告マンとしての社会人生活
博報堂での経験
増田:岡澤さん本日は宜しくお願い致します!早速ですが、岡澤さんは前職が広告代理店ということでどのような業務をされていたのか教えていただけますか。
岡澤:私は新卒で株式会社博報堂に入社しました。一貫して営業として様々な案件に携わらせていただきました。

また、社内留学制度を活用して、ストラテジックプランナー職の経験を1年間積みました。この職では、戦略構想として上段の仕事からリサーチ、ロジカルシンキングなど足元の業務まで幅広く学ぶことができました。営業担当として3年目からは大手製薬会社を担当しました。その時にはプロダクトが産声をあげるタイミングから携わり、ネーミング開発、製品ローンチ、ローンチ後のブランドコミュニケーションなど、1つのプロダクトに長期的に関わる経験をさせていただくことができました。6年目以降はIT、モバイル、エンターテインメントなど、多種多様な業界のクライアント様とお仕事をご一緒させていただきました。大小合わせると、常時20件〜30件程の案件を回すイメージでした。

増田:同時に20件以上の多種多様な案件を回すことは非常に難易度が高い印象を抱きます。現在TBMではどれくらいの数の案件を並行して担当しているのでしょうか?
岡澤:現在は数十件の案件を同時並行で進めており、博報堂の時よりも多くなっているかもですね。。案件の性質は広告代理店の時とは根本的に異なりますが、その中でも最大の違いは、自分1人でプロジェクトの全体を俯瞰し、アウトプットまで一連のプロセスの大部分の責任を求められることです。でも、一気通貫でビジネスを行えることは非常に楽しいし、やりがいを感じます。TBMで働く上で面白い点は、LIMEXという素材を自社で持っているからこそ、提案することに限りがなく、発想次第でいかようにでも仕掛けられるところですね。今は、日本を代表するような大手の企業に対して、LIMEXを広くご活用いただき、自社のサステナビリティを推進することに繋げていただくような提案を中心に行っています。
#2. 世界を”より広く”、より深く”知ること
転職活動のきっかけ
増田:博報堂での仕事は非常にエキサイトな印象を持ちました。転職活動に至ったきっかけは何だったのでしょうか?
岡澤:自分のキャリアを見つめ直す機会がありました。新卒からずっと働いてきた広告代理店はビジネスモデル上、幅広く多くのビジネスに携わることができます。しかし、それでも社会全体に存在しているビジネスの中で、比率で言うとほんの数パーセント程度しか知らないなと、ふと思いました。つまり、世界をまだまだ知らないと感じたんです。このまま社会人生活を終えてしまっても良いのか?と自分の中で疑問が生まれ、転職活動をしてみようという考えに至りました。
増田:なるほど。様々な選択肢の中で、TBMにエントリーした理由はなんだったんですか?
岡澤:これまで自分が携わり、目にしてきたビジネスの真逆の領域を経験したいと思ったんです。だから会社の規模感も大手ではなくベンチャー企業、業種も広告代理店という第三者視点ではなく、自らプロダクトやサービスを持つ事業会社という選択軸を持っていました。そんな中で、約2年前にカンブリア宮殿の500回記念番組で見たTBMという会社を思い出しました。実は転職活動を開始して最初に訪問した企業がTBMでした。今、世の中で注目されているベンチャー企業、ネクストユニコーン企業の上位にランクインしている企業は幅広くお話を聞かせていただきましたが、最終的にまたTBMに戻ってきました。
増田:2018年、日本のベンチャー企業への投資金額は過去最高額を記録し、かつてない程にベンチャー企業が盛り上がりを見せる中で、最終的にTBMを選択した決め手はなんだったのですか?
#3. “素材革命”の可能性に魅せられて
TBMに魅力を感じた理由
岡澤:扱っている商材が”素材”である点に魅力を感じました。今のベンチャー企業のトレンドはITやAIが中心だと思います。ただ5年後、10年後、少し先の未来を見据えた時にそれらの企業が残り続けているかは正直わかりません。一方で”素材”という領域においては、1つ大きな革命を起こせれば、後世に残り続けるような商材になり得ると思ったんです。Visionとして「過去を活かして未来を創る。100年後でも持続可能な循環型イノベーション。」を掲げているクリアさに気持ち良さも感じました。さらに今では、単に素材を提案するだけではなく、資源を循環させる仕組みも合わせて提案することで、サステナビリティを推進することに繋げることにも大きな魅力を感じているとともに、ある種の「使命」を感じるようになってきています。
増田:世の中に、当たり前に存在する紙やプラスチックに匹敵する、ましてやそれを超える素材を開発し、広めていく、いわゆる「素材革命」、そして「サステナビリティ革命」を自らの手で起こせる可能性がある。これほどワクワクすることはないですね。事業のポテンシャルと企業のビジョンに共感をいただけたと。話は変わりますが、入社されてから1年以上が経過し、現在の業務は何をしているのでしょうか?
岡澤:私のTBMでのミッションは、LIMEXを活用しながら、広い意味での「新たなビジネス・プロジェクト」を創っていくことです。提供できるLIMEX製品のアプリケーションが急激に増えてきている中で、どうすれば多くの人にLIMEXを知ってもらい、使っていただけるかを発想し、実行しています。

1つ具体例をあげると神奈川県の事例があります。“アップサイクル”という考え方があって、これはTBMが大事にしているサステナブル(持続可能)な「モノづくり」の新たな方法論の一つです。従来から行われてきたリサイクルとは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを目的としたもので、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する(つくる責任 つかう責任)」にも貢献できるものだと考えています。LIMEXは、名刺などの紙代替から、ボールペンやスマホケースなどのプラスチック代替へのアップサイクルが可能な素材です。同じにものにリサイクルしたり、より価値の低い(安い)ものへリサイクルすることとは異なり、地球の資源が明らかに足りなくなっている今で資源循環が求められていますが、それに対して大きな貢献ができると考えています。
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#4. ”アップサイクル” 新たなビジネスの開発
神奈川県と取り組む”アップサイクル“モデル
増田:”アップサイクル”ですか。普通、紙から紙、プラスチックからプラスチックへのリサイクルはよく聞きますが、紙からプラスチックへのリサイクルはLIMEXならではの価値ですね。実際にどのような案件が進んでいるのでしょうか。
岡澤:神奈川県との「かながわアップサイクルコンソーシアム」は、「つかう」「あつめる」「つくる」といった各プロセスにおけるパートナーを、神奈川県内の企業・市区町村・大学などの団体から広く募集し、LIMEXのアップサイクルを推進する体制を構築する取り組みです。アップサイクルモデルの中でも、神奈川県に適したモデル、どんなパートナーを巻き込みたいかを検討し、実際にパートナー募集の活動を行っています。
神奈川県は「SDGs未来都市」に認定されており、県として何ができるかを模索しながら様々な取り組みを積極的に実行されています。ただ発信するだけではなく、実際に実現してくためには企業、団体、市区町村の自治体の巻き込みが必要となるため、どういうプレーヤーを集めて、どのように仕掛けていくかを日々構想しながら推進してきて、今では50以上のパートナーに参画いただいながら、定期的な情報共有や多くの具体的なアクションを実践しています。アップサイクルのためにはインフラの構築、素材の入口から出口の製品を具体化していく必要がありますが、これからの広がりや多くの人に使っていただく機会を創出できるのは非常にエキサイティングですし、今後必ず必要になってくる仕組みであると信じていますので、こちらも「使命感」を持って取り組んでいます。
また、私は現在、営業本部に所属しているのですが、LIMEXという素材の可能性とクライアントのニーズをマッチングさせ、導入してもらうまでの一連のプロセスを、社内外の関係する人たちを巻き込みながら進行する役割だと捉えています。無限に創造できるLIMEXの可能性を、1つ1つ社会で実装させていくという極めて幸せな仕事だと感じながら日々向き合っているところです。
LIMEXの開発力を高めていくことは当然なのですが、不足しているリソースを補う為に、LIMEXの魅力を適切に伝え、世の中のSDGsトレンドの中で信頼してもらい、いかにクライアントから協力を得られるかが重要になります。多くの企業を巻き込み、発信量や事例を増やすことが必要です。
#5. 広告代理店の経験は全て活きている
広告代理店とメーカーで求められるスキルの違い
増田:幅広い事業構想力が求められますね。広告代理店と素材メーカーは一見すると、全く異なる業種ですが広告代理店出身だからこそ活きているスキルはありますか?
岡澤:正直、広告代理店で得てきたスキルは全て活きていると思っていますが、強いてあげれば「提案力」と「コミュニケーション力」でしょうか。LIMEXは、紙とプラスチックというこれまで”当たり前”に身の回りにあったものを代替していくものだからこそ大きな可能性があるのですが、一方で導入が難しくもあると思っています。どういう文脈の中でLIMEXをこれまでの紙やプラスチックの代わりに導入していくかは、各クライアントに合わせた私たちからの「提案」が必要ですし、実際に代えていくプロセスの中では何度もやり取りが発生しますので、お互い齟齬が生じない「コミュニケーション」が必要だと考えています。広告代理店から素材メーカーへの転職はあまり聞かないケースのようですが、むしろ向いているのではないかと自分では思っています。
増田:日々スピード感や責任感を感じながらTBMで働いているかと思いますが、その中で難しいと感じることはありますか?
岡澤:LIMEXという素材に対して有難くも期待値が高く、ポジティブな空気感を感じます。その一方で、まだリソースに限りがある中で、全てに答えられるわけではない。その時にどのようなコミュニケーションを行なうか、適切な対応が求められる点は難しいですね。期待を絶やさずに、いずれ答えられる様にいかにビジネスを成長させていくかが難しい。広告代理店は常に「期待を超える」提案を求められます。今は少し違いますね。高止まりさせる力も必要だと感じています。
増田:広告代理店では、様々な企業に対してコンサルティングとして価値を提供する立場でしたが、第三者視点から当事者になった際のモチベーションの違いはありますか?

岡澤:自分としては、やはり当事者になりたい人間だったので、今の環境は求めていたものであり、非常に楽しいです。当事者だからこそ考えないといけないこともあります。今までとの違いは責任の度合いですね。今は、事業会社に勤めている以上、最終的な責任は全て自分に直接的に返ってきます。1つ誤ったコミュニケーションをすることで、意図していた見え方と大きく異なる見せ方になることもあります。いい意味で世間から大きな注目をいただいてる今だからこそ、ネガティブインパクトの大きさは計り知れません。物事を発信する際の責任感は非常に大きいと感じます。
#6. LIMEXを、10人いたら9人が知っている世界へ
増田:第三者視点から当事者へ、大きな違いがありますね。LIMEXのエバンジェリストとして、今後TBMで何を成し遂げたいですか?
岡澤:LIMEXを10人中、少なくとも9人が知っている様な当たり前の素材にしていきたいと思います。前職でコミュニケーションを中心に携わってきたからこその考え方かもしれませんが、まだまだ”知られていない”LIMEXという素材を、知ってもらうことで新たな選択肢にしてもらうことと、選択肢の中から積極的にLIMEXを選んでもらうこと、この両方をバランスよく推進しながら事業を加速させていきたいと考えています。ありがたくも今のポジションは裁量の幅をもたせてもらえるので尽力したいと思います。まずは、日本を代表する大手クライアントに導入してもらい、それを日本全国へ広げていきたいです。その先、いえ、平行しながら、世界へも拡げていきたいです。
増田:岡澤さん、本日は有難うございました!